●概要に関するQ&A
Q2.どのような診断方法で診断しているのか?
A.「木造住宅の耐震診断と補強方法」(2004年改訂版) 「 監修 国土交通省住宅局建築指導課、発行財団法人 日本建築防災協会」の一般診断法及び、精密診断法の1の診断法に準拠しています。
Q3.1階がRC・S造の建物は診断できますか?
A.同一階でRC・S造と木造の混構造(平面的な混構造)でなければ、2階、3階の木造部分の診断が可能です。
Q4.どのような構法・工法の住宅が診断できるのか?
A.在来軸組構法、伝統的構法、枠組壁工法の住宅の診断が可能です。
Q5.平面的に斜めの壁のある建物の診断はできますか?
A.基本的には可能です。ただし軸力の計算には考慮しておりません。
●入力全般に関するQ&A
Q1.「床仕様」の配置で、床1、床2のコンボボックスで床仕様が選択できません
A.「部材仕様」の「床の仕様」は、作成済でしょうか?床1、床2で選択できるのは、「部材仕様」の「床の仕様」で入力した床仕様です。
Q2.一つの物件に補強案1〜5までの配置データが、入力可能とありますが、どこで入力するのですか?
A.「一般事項」の物件区分で[改修後(補強後)] を選択して補強後物件を作成すると、画面下側で、現状・補強案1〜5の選択用の入力が可能になります。この状態で配置を行うと、選択してある補強案への配置データになります。
Q3.自分で作成した荷重(床・屋根・外壁・内壁・その他等用)の登録は、可能ですか?又、それをマスタのように他の物件で使うことはできますか?
A.可能です。マスタのように使うこともできます。「荷重」の入力で作成した荷重と下のリストエリアに登録することで、他の物件でも、その荷重が選択できるようになります。
Q4.平面図に部屋名を出力したいのですが?
A.出力できます。Ver1.08 より平面図に部屋名が出力できるようになりました。
Q5.開口幅は入力する必要がありますか?
A.開口幅が0の場合、柱芯間になります。一般診断の場合は開口の有無しか見ていませんので、入力の必要はありません。
Q6.柱頭柱脚接合部は別々の金物を入力できますか?
A.出来ません。柱頭柱脚同様の金物になります。
Q7.2階建ての建物で精密用荷重の入力で3階の荷重が入力してあるが、削除すべきか
A.する必要はありません。いくつ入っていても結果は変わりません。
Q8.増築したいのですが通り追加がクリックできません。
A.補強案では通り追加は出来ません。現状案で通りを追加してください。
Q9.60cm以下の壁は壁として考慮しませんが、柱−柱間で壁を配置するので直交壁がある場合、考慮されるべき壁が考慮されません。入力方法はありますか?
A.入力方法はありません。どちらかの方向の壁を考慮するよう入力してください。
Q10.壁面材の片面のみを補強する事は可能ですか?
A.可能ですが、劣化係数は両面同一のものがかかります。
Q11.壁面材の釘ピッチの入力は計算に使用してますか?
A.釘の配置による低減に使用しています。「壁配置と壁による耐力・剛性」に使用します。
●配置全般に関するQ&A
Q1.配置画面で、細かい部材の仕様を見たいのですが?
A.Ver1.07 より、配置画面で「部材仕様表」をチェックすると、壁面材・筋交い・開口・床(構面)の仕様が表示できるようになりました。
Q2.配置画面で、データを入力しながらリアルタイムで診断結果がわかると聞いたが、どうやるのか?
A.画面左の「偏心表示する」をチェックすると。その下に、その階の重心・剛心・偏心率、精密診断の判定X・Y、一般診断の判定X・Yの表示が行われます(1.0未満の場合赤く)。そのまま、診断結果に関係の有る部材等の配置をおこなうと、リアルタイムにその値が変化します。又、部材仕様表表示(画面右)をチェックして出現する画面下の表示エリアで [精密][一般] を選択すると、結果出力と同様の形式(全ての階の結果)での判定をリアルタイムで確認できます。
Q3.配置画面で、画面左「均等へ」ボタンを押したら、配置データが変形してしまった
A.「均等へ」ボタンを押すと、配置データを実寸表示から、スパン均等表示に切り替えます。このため、各通りのスパンが同じ長さの表示になり、入り組んだ部分の入力が簡単に行えます。又、この際見た目上スパンが均等になるため配置データの形が変わります。見た目をもとに戻すには、先ほどのボタンが「実寸へ」に変わっていますので、もう一度、これを押すと実寸表示へと戻ります。
Q4.床(含屋根)の荷重は、物件内で何種類扱えますか?
A.「荷重」の荷重表では、床・屋根・その他1・その他2の4種類の荷重を床屋根用で扱えます。
Q5.壁の荷重は、物件内で何種類扱えますか?
A.階ごとに、外壁用・内壁用の2種類の荷重を扱えます。
Q6.壁の荷重は、床均し荷重ですか?
A.壁の面積当りの荷重になります。計算では配置されている壁の実長に高さをかけて面積にしています。この際、開口部にガラス・サッシ・建具などの重量は、壁単位荷重と同等と考えて開口を無視した面積に単位荷重を乗じています。
Q7.追加荷重の入力はできますか?
A.柱に対しては可能です。「柱追加」配置を使うことで、柱に追加荷重を載せることができます。
Q8.「床荷重」の配置で、床種類( 床・屋根、その他1、その他2 ) とは何ですか?
A.A.「荷重」で入力した荷重を床種類から選択して配置します。「床・屋根」は上部の建物の有無で床・屋根の分類を自動で認識しています。
Q9.壁はどのように入力するのか?
A.本システムでは、壁の両側に柱があるものとして解析をおこなっています。最初に柱を入力しておき、その間をクリックすると自動的に柱と柱の間を1枚として壁が入力されます。又、壁は、面材・筋かい(軸組材)・開口のいずれかの入力で作成されます。(開口の有る壁は、有開口壁として処理されます。)
Q10.壁面材の追加登録は可能ですか。
A.可能です。又、補強用に良く使う面材は、補強用として登録もできます。
Q11.1つの壁に何種類の面材が入力できますか。
A.2種類です。壁両面分の面材の入力が可能です。2種類以上の面材を設定する場合には、面材仕様リスト入力時に複数種分の耐力・剛性をあらかじめ考慮した面材仕様を作成しておくようにします。
Q12.一般診断法のみの使用の際にも、「床仕様」「床荷重」の入力は必要ですか?
A.一般診断法の場合「床仕様」(の配置データ)は、各階の床面積及び延べ床面積の自動計算に使われています。「一般事項」の床面積を数値で入力してあれば、「床仕様」(の配置)は、必要ありません。又、「床荷重」(の配置)については、精密診断法でしか使用しないので入力の必要はありません。
Q13.有開口壁部分に、開口と面材を両方配置した場合と開口のみ配置した場合の違いはありますか?
A.一般診断法においては、壁の強さの算出時に、有開口壁の存在は無視して、必要耐力の25%を雑壁の耐力として計算していますので、診断上の計算に違いはありません。(平面図等の出力は多少異なります)精密診断法では、有開口壁の耐力を開口部分の面材の耐力をもとに算出しますので、開口部分に面材を入力しないと有開口壁の耐力が0になります。このため、建物の保有する耐力が少なく算出されます。 ※精密診断のことも考えて、通常、開口部分にも、面材を入力するようにした方がよいでしょう
●計算時の警告メッセージに関するQ&A
Q1.計算時の警告メッセージ等は、出力されますか?
A.されます。「計算」ボタンを押して計算をおこなった場合、「警告メッセージ」が画面に出力されます。また、この「警告メッセージ」印刷も可能です。
Q2.「計算」時に ”入力エラー 階[ 1 ] 床荷重が配置されていません。【精密診断】” のメッセージが出る。
A.該当する階に「床荷重」の配置データがない場合にでるメッセージです。精密診断時に、地震力を使った必要耐力を正しく求めるには、「床荷重」の配置入力が必要です。(配置されていないと、地震力に床・屋根の荷重が考慮されません。)
Q3.「計算」時に ”入力エラー 階[ 3 ] 床面積の値が不正です。” のメッセージが出る。
A.該当する階の「床仕様」の配置データがなく、かつ「床面積」の入力(一般事項)も0の場合にでるメッセージです。診断が正しく行えないので、「床仕様」の配置入力(精密診断時は必須)か「床面積」の入力が必要です。
Q4.「計算」時に ”入力エラー 最高高さの値が不正です。” のメッセージが出る。
A.「最高高さ」の入力(一般事項)が0の場合にでるメッセージです。精密診断時の地震力計算時(固有周期)に影響があるので、入力が必要です。
Q5.「計算」時に ”入力エラー 軒高さの値が不正です。” のメッセージが出る。
A.「軒高さ」の入力(一般事項)が0の場合にでるメッセージです。精密診断時の地震力計算時(固有周期)に影響があるので、入力が必要です。
Q6.「計算」時に ”入力エラー 階[ 3 ] 階高の値が不正です。” のメッセージが出る。
A.該当する階の「階高」の入力(一般事項)が0の場合にでるメッセージです。精密診断時には、入力が必須です。開口壁の垂れ壁背のチェック等に影響があります。
Q7.「計算」時に ”入力エラー 軒高と合計の高さが合ってません。” のメッセージが出る。
A.「軒高さ」と各階の「階高」+「1階床高さ」の合計があわない場合にでるメッセージです。精密診断時の地震力計算時(固有周期)に影響があるので入力が必要です。
Q8.「計算」時に ”計算エラー 階[ 1 ] [ Y2 ,X6 ] 上階からの軸力が伝達できません、部材を配置して下さい。” のメッセージが出る。
A.上階から該当する柱に軸力伝達がされてません。精密診断時に「柱の軸力で重心を算出」(計算条件)選択している場合または計算方法が伝統的構法の場合には、梁・壁・床の根太方向を確認して、軸力伝達経路を確認してください。
Q9.「計算」時に ”ワーニング 階[ 3 ] [ Y1 ,X1 ] → [ Y1 ,X2 ] の壁の両側が建物の外です。” のメッセージが出る。
A.建物が、壁面材、開口、筋交、いずれかの配置データで囲まれていない場合、多くの壁で上のメッセージが出ます。建物を、壁面材、開口、筋交のいずれかで囲む様に配置してください。
Q10.「計算」時に ”ワーニング 階[ 3 ] 長期軸力がゼロです。” のメッセージが出る。
A.該当する階の「階高」の入力(一般事項)が0の場合にでるメッセージです。又、数値が入っていても柱がない、あっても、壁面材、開口、筋交、梁、床荷重がすべてない場合にでます。又、「荷重」(テキスト入力)表の荷重表の多くが0の場合もでる可能性があります。
Q11.「計算」時に ”入力エラー [ Y1 ,X1 ] → [ Y1 ,X2 ] X方向の根太を支える部材がありません。” のメッセージが出る。
A.配置されている床荷重の根太方向に伝達する部材がありません。
Q12.「計算」時に ”計算エラー 階[ 1 ] [ Y2 ,X6 ]の接合部のN値が大きすぎます” のメッセージが出る。
A.壁の耐力が大きすぎるため、それに耐えうる金物が柱頭柱脚接合部の仕様リストにありません。
●出力全般に関するQ&A
Q1.一般診断で接合部の低減係数が意図しているものと異なる。
A.「計算条件」画面、一般診断用タブの「接合部仕様」の入力で「接合部配置を使用」がチェックされていると、接合部配置の状態に従って接合部の低減係数が決まります。この際、接合部が配置されていない柱については、最も耐力の少ない接合部(い)の分類のものを想定して算出しています。また、逆にチェックされていないと、配置した接合部は使われず、階別で選択した接合部仕様?〜?を使って算出した結果になります。
Q2.精密診断時、出力「7.壁配置と壁による耐力・剛性」で開口係数が0で出力される。
A.該当する開口つき壁の垂れ壁背が、小さすぎる(36cm未満)。または有開口壁の横に無開口壁が存在しない。
Q3.補強箇所をカラー印刷する方法は?
A.印刷する際に最後に表示される画面「印刷ページ指定」でカラー印刷するにチェックを入れてください。
Q4.*が表示される箇所があるのですが
A.補強部材箇所に*が表示されます。
●診断結果全般についてのQ&A
Q.一般診断法と精密診断法の診断結果が大きく異なるが、どのようなことが考えられるか?
A.一般診断法と精密診断法(その1)の診断計算は計算方法が多少異なるため、結果も必ずしも同じにはなりません。次にあげる項目の数値を比較し、大きく異なる場合は、該当番号の確認部分を参照下さい。
(1)各階の必要耐力 (kN)
一般診断結果「上部構造評点」と 精密診断結果「16.判定 」の[Qr]
(2)保有する耐力 (kN)
一般診断結果「上部構造評点」の[P]と 精密診断結果「15.保有する耐力の算定 」の[保有する耐力(修正前)]
(3)偏心(建物のバランス)に関する低減値
一般診断結果「上部構造評点」の[E]と 精密診断結果「15.保有する耐力の算定 」の[Fep]
(4)劣化度に関する低減値
一般診断結果「上部構造評点」の[D]の値が1.0以外か? 又、「壁劣化」「柱劣化」の配置をしているか?
(5)床仕様に関する低減値
「計算条件」一般診断用の「床仕様」の選択と 精密診断結果「15.保有する耐力の算定 」の[Fef]
( 床仕様I→1.0,0.95,0.9 床仕様?→1.0,0.925,0.85 床仕様?→1.0,0.9,0.8
※各数値は偏心率により変動 )
〜参考 一般診断計算結果〜
上部構造評点
階 |
方向 |
強さ
P
(kN) |
配置
E |
劣化度
D |
保有する耐力
Pd
(kN) |
必要耐力
Qr
(kN) |
上部構造
評点 |
2階 |
X方向 |
23.49 |
1.00 |
0.70 |
16.44 |
41.98 |
0.39 |
Y方向 |
36.48 |
1.00 |
0.70 |
25.54 |
41.98 |
0.61 |
1階 |
X方向 |
73.94 |
0.30 |
0.70 |
15.53 |
144.68 |
0.11 |
Y方向 |
113.96 |
0.75 |
0.70 |
59.83 |
144.68 |
0.41 |
〜参考 精密診断計算結果〜
15.保有する耐力の算定
|
保有する耐力
(修正前)
(kN) |
剛性率低減
Fs |
偏心低減
Fep |
床仕様低減
Fef |
保有する耐力
Qd
(kN) |
2階 |
X方向 |
13.0 |
1.00 |
1.00 |
1.000 |
13.0 |
1階 |
37.8 |
1.00 |
0.50 |
0.800 |
15.1 |
2階 |
Y方向 |
26.0 |
1.00 |
1.00 |
1.000 |
26.0 |
1階 |
77.8 |
1.00 |
1.00 |
1.000 |
77.8 |
16.判定
|
必要耐力
Qr
(kN) |
保有する耐力
Qd
(kN) |
充足率
Qd/Qr |
判定 |
2階 |
X方向 |
46.4 |
12.99 |
0.28 |
倒壊する可能性が高い |
1階 |
97.3 |
15.11 |
0.16 |
倒壊する可能性が高い |
2階 |
Y方向 |
46.4 |
25.99 |
0.56 |
倒壊する可能性が高い |
1階 |
97.3 |
77.79 |
0.80 |
倒壊する可能性がある |
確認(1)・・・各階の必要耐力が大きく異なる場合
1.「計算条件」の「必要耐力の算出方法」が一般[?]、精密[必要耐力表を用いる方法]の場合
上階が部分的にしかない建物の場合、一般診断の必要耐力の方が、かなり大きくなります。
上階まで同じ床面積の場合も、一般診断の方がやや大きくなります。(形状割増の係数での多少の違い有り)
2.「計算条件」の「必要耐力の算出方法」が一般[?]、精密[必要耐力表を用いる方法]の場合
床面積が同じならば、基本的に同じ位の数値となります。(形状割増の係数での多少の違い有り)
床面積は、一般診断では、一般事項での入力値、精密診断では、「床仕様」の配置面積が使われます。
入力値と精密診断結果の「6.必要耐力の算定 (1)床面積の計算」を比較確認してください。
大きく異なっている場合は、床面積の入力値か床仕様の配置に誤りがあります。
3.「計算条件」の「必要耐力の算出方法」で、精密[上2つの方法で最下階の必要耐力が大きい方を採用]の場合
精密診断結果の「6.必要耐力の算定」を確認し、今回採用されたのが「(b)必要耐力表を用いる方法」ならば、
上の1.か2.を参照。採用されたのが(a)建築基準法施行令に準じて求める方法」なら下の4.か5.を参照。
4.「計算条件」の「必要耐力の算出方法」が一般[?]、精密[建築基準法施行令に準じて求める方法]の場合
このケース場合、一般診断は床面積からの略算表から、精密診断は配置されている「床荷重」「外壁」「内壁」
から「荷重」で入力された荷重表をもとに地震力を算出して、各階の必要耐力を求めます。
求め方が違うので、計算結果は異なります。大きく異なる場合は、次のことを確認してください。
・「床荷重」の配置はされているか?されていないと、床荷重の分の荷重が考慮されず、精密の結果が小さくなります。
(精密診断結果の「6.必要耐力の算定」の「(a)(2)荷重および、建物重量・支持重量の計算」で床もしくは屋根の
荷重の集計結果が出てない場合は、荷重が拾えていません)
・「計算条件」の「建物重量」の選択と「荷重」の荷重表で設定している荷重は、おおむね近いものか?
「建物重量」で[軽い建物]を選択すると、非常に軽い荷重が想定されます。それに見合う「荷重」が設定されないと
一般診断の方がかなり小さい結果となります。
・一般事項の屋根形状で勾配・軒出の入力があります。荷重計算時には、屋根の面積・単位荷重にこれらを考慮した
割増がかかります。軒出の単位は(メートル)です。軒出・勾配が大きいと荷重は大きくなります。これに対し、一般
診断では建物形状の短辺が短い場合に形状割増がかかる以外、勾配・軒出の入力による必要耐力の変化はありません。
5.「計算条件」の「必要耐力の算出方法」が一般[?]、精密[建築基準法施行令に準じて求める方法]の場合
〜参考 各建物重量で想定している床均し荷重(kN/?)〜
「 軽い建物 」 屋根:0.95 外壁:0.75 内壁:0.20 床:0.60 積載:0.60
「 重い建物 」 屋根:1.30 外壁:1.20 内壁:0.20 床:0.60 積載:0.60
「非常に重い建物」屋根:2.40 外壁:1.20 内壁:0.45 床:0.60 積載:0.60
確認(2)・・・各階・各方向の保有する耐力が大きく異なる場合
「計算条件」一般診断で接合部の仕様を階別で選択している場合、同等の「柱金物等」の配置がされているか?
※精密診断では、常に配置されている「柱金物等」ともとに診断が行われます。
※精密診断、及び一般診断(「接合部配置を使用」を選択時)で「柱金物等」の配置がない場合は
[接合部仕様?] と同等の計算結果になります。
1.筋かい接合部低減(「部材仕様」「軸組等の仕様」)・部材劣化指定(「壁劣化」「柱劣化」配置)・釘仕様(「釘-壁面」配置)による低減がない場合
・無開口壁ついての保有する耐力の算出方法については、ほとんど同じです。
・有開口壁ついての保有する耐力の算出方法
一般診断では、配置されている有開口壁とは関係なく、その階の必要耐力の25%(伝統的構法時は除く)、
精密診断では、開口部分の面材の耐力に開口低減係数 [(0.0)〜0.4] を乗じて算出。
※精密診断では、開口部分に壁面材の配置がないと耐力がでません。
※掃出し開口の低減係数は [(0.0)〜0.2] です、この為、窓型開口が少ないと一般診断に比べ有開口壁の耐力が少なくなります。(耐力が足りない場合ほど顕著・・一般診断が「必要耐力」をベースにしているため)
※開口低減係数が 0.0 となるのは垂れ壁高さ足りない場合です。「階高」及び「開口仕様」を確認してください。
2.筋かい接合部低減(「部材仕様」「軸組等の仕様」)・部材劣化指定(「壁劣化」「柱劣化」配置)・釘仕様(「釘-壁面」配置)による低減がある場合
筋かい接合部低減[0.6〜1.0]・劣化低減[0.0〜1.0]・釘仕様による低減は、一般診断の「強さ」の結果には考慮されていません。このため、これらの、低減が入力されていると、その分精密診断の耐力の方が小さくなります。
その他の部分は、1. と同じです。
確認(3)・・・偏心(建物のバランス)に関する低減が大きく異なる場合
一般診断では、各方向、両端 1/4 内の充足率と床仕様(計算条件で選択)をもとに低減 [0.3〜1.0] を決定(4分割法)
※この方法では、両端の充足率が 0.66以上であれば、偏心・床仕様にかかわらず、1.0
となり低減されません。
精密診断では、重心・剛心より偏心率を算出し、その値から低減 [0.5〜1.0] を求めています。
上の様に、計算方法が違うので、結果も異なります。(特に上の※のケースの時)
確認(4)・・・劣化度に関する低減が大きく異なる場合
一般診断では「老朽度」の入力を元に保有する耐力全体が [0.7〜1.0] 倍されます。
精密診断では「壁劣化」「柱劣化」の配置を元に部材ごとの耐力を [0.0〜1.0] 倍して、保有する耐力を算出します。
上の様に、計算方法が違うので、それぞれの劣化関係の入力に、差があれば、違った結果になります。
確認(5)・・・床仕様に関する低減が大きく異なる場合
一般診断で選択されている、階別の床仕様と同じレベルの床仕様が配置されているか?
配置されているなら、偏心率(バランス)の違いによる場合が考えられるので(3)を参照。
これ以外でも、質問等ありましたらユーザーサポートにて受付いたします。
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